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慶應SDM SDMの基礎 公開集中講座 参加まとめ 2024-04

概要

下記の慶應SDMの公開講座に参加し、学びと気づきが多いと感じましたので、キーワードベースですが自分用の備忘録としてまとめます。公開講座の参加、SDM受験を検討されている方の参考になれば幸いです。
慶應SDM システムデザイン・メソドロジーラボ主催 「『SDMの基礎』公開集中講座」 | SDM|慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科

1日目 2024-04-20

・whatとhowを行き来する必要がある
昔はできることが限られていて、what→howの一方通行でよかったが、正解のわからない今の時代は、手段(how)を理解してから、目的(what)を考えるケースもある

・群盲、象を撫でる
- 一部だけをみて全体を理解することはできない
- 立場が違うと別の考えになる
- 全体が見ているつもりでも、過去の経験をもとに1部だけを見て、思考停止で判断していないか

インクルージョン
異なることに感謝しよう

無知の知
自分が知らないということを知る

・抽象度のコントロール
共通点を探したり、他視点から見ることで抽象化する
抽象度低+高をセットで、人に何かを伝えるとよい
相手の反応をみて、意図的に抽象度を上げ下げする

・経験学習サイクル

2ふりかえり 3教訓 ↑抽象度 高
1経験    4実践 │    低

1→4をダイレクトには行けない。一度、抽象化する必要がある。
横展開は、実際には横(水平)ではない

・知的活動におけるグループの成果に起因する要素
- メンバーの社会的感受性が高いこと
- 会話の占有率がシェアされていること

★グループワークにおいて、個人の意見がチームの結論になったら、それは失敗
★1人では到底たどり着けないような結論を出そう
→最も印象に残った学び
今まで、学校や企業の研修で数えきれないほどのグループワークをやっていきたが、もっと昔から知りたかった。全てのグループワーク主催者が受講生に対してリマインドすべきと感じた。

・システムズエンジニアリング
汎用的な考え方
SEコスト率が15%くらいが、最もコスパが良い

適切な方法論と仲間がいると良く進む


work1: 新しいスポーツを作る
要素を分解して組み合わせる

3つの俯瞰:
意味×時間×空間

work2: 空飛ぶ車社会のための要素を挙げる

・要求定義 blackbox requirement
要求を十分な品質を持った技術的仕様に変換すること
こととき、howは定義しない

  • システムの境界の明確化
  • 成果物の明確化

・コンテクスト分析
外部要因を把握する
人・物や環境からの影響を確認する

work3: ベビーカーのコンテクストを書く

ユースケース
機能を責任範囲を明確にする
実現手段には触れずに、何をするかを書く

work4: ベビーカーのユースケースを書く

work5: 機能を洗い出す
この時点でもまだhowは考えない
〇:階段を移動できるベビーカー
×:キャスターを付けたベビーカー

・第一原理思考
機能と物理(形)を分離して考える
形にとらわれないようにする

機能設計から物理設計を割り当てる

work6: 物理設計。ベビーカーのイメージ図を描く

2日目 2024-04-21

・システムデザイン×デザイン思考=イノベーション
再現性のある方法論

・無意識バイアス
- 無駄な情報を省いて素早く判断できる
- 環境変化においてマイナスに働く場合もある

・グループの多様性とイノベーションの関係
多様性の高いグループほど、平均値が下がる傾向
ただし、ばらつきは大きくなるため、より高い成果が出せることがある

均質性:心地よい、ハイコンテクスト
多様性:面倒くさい、ローコンテクスト

個人内の多様性が高い・低いという考え方もある

多様性のあるチーム+心理的安全性→イノベーション
心理的安全性:気兼ねなく意見を述べられると、チーム内で"お互いに"確信する

☆オススメ本:「恐れのない組織」

・デザイン思考
もともと、スタンフォード大学機械工学の学生向け。
超優秀な人たちの補足で使われていたため、ここだけ切り取ってもうまくいかない

  • human centric
  • collabolative
  • optimistic
  • experimental

creative confidence TED動画オススメ

・イノベーティブなアイディア
常識やこれまでの考え方にとらわれない
真正面から取り組もうとしない
ex) 世界一深いゴミ箱
→どうしたら楽しくごみを捨ててもらえるか

・グループワークを上手く進めるための土壌づくり
- アイスブレーク(健康について解決したいこと)
- ニックネーム
- チーム名決め

誰かの発言に対して、「いいね」という
否定しない。肯定+助言をする

・ゴールデントライアングル
- よい問いを立てる
- ソリューションのコンセプトを決める
- 価値を提供する

・問いの立て方、アイディアの出し方
〇:ユーザが本当に欲しいもの
×:表層的な問い
「〇〇するにはどうしたらよいか」

アイディアは誰かの役に立って価値になる

普通ではないが面白い、重要なアイディア

問いをリフレーミングする

例:どうしたらヘルメットをかぶってくれるか
→髪の毛が崩れないようにするには
→必要な時にだけ頭を保護するには

例:骨髄ドナー登録、怪我した時に採血して送るだけ

  • 当たり前を疑う
  • 今あるものから考える
  • 完全な解は求めない
  • 上位の目的で考えてみる
  • 分析的に考える

step1: 当たり前を挙げる
step2: インサイトを得る(本当にそうかを考える)
step3: 問いを立てる

・バリューグラフ
「そもそもの目的は何!?」
上位の目的 「〇〇を××するため」
 ↑ ↓
対象 代替案

これを上に伸ばしていく


テクニック:全く□□せずに××するというとイノベーティブっぽっくなる

・強制連想法
- しりとり連想法
- マトリックス
目的1 目的2 目的3
生活のシーン1
生活のシーン2
生活のシーン3

9マスを入れていく

・Customer Value Chain Analysis
step1: ステークホルダーをリストアップ
step2: 流れの把握
step3: 分析
情緒的な価値が大事→価値の連鎖を生む

それぞれのレイヤーで代替案を出していく
目的
機能
物理

所感

実ワークの時間は1日目2日目それぞれ2h程度。初めて出会ったメンバーでも、ゼロから始めて提案するとことまで辿り着ける
特に、2日目のワークでの教授からのフィードバックとして「サービス化できるよ」という言葉をいただけたのは印象的だった
SDMに通うと、様々なテーマでのワークを通して、システム×デザイン思考の流れを身に付けることができる

また、複数の在校生が、同期との出会いだけでも学費分をペイできるとコメントされていた
多様なバックグラウンドを持つ優秀な人材に巡り合える場所としても有用とのこと

SDM検討にあたって気になった点

SDMが一般企業におけるサービス開発においても適用できるのであれば、どうしてもっと広がっていないのか
└SDMの考えを身に付けて一般企業に戻った時に、一人でそれを適用できるようになるのか
└講師の方のお膳立てと、優秀なチームメイトに囲まれていたため、いい成果を出せただけではないか

方法論を学ぶことが目的なのか、方法論を使って何かの課題を解決することが目的なのか
└方法論を勉強することに対するモチベーションは維持できるのか(仕事と両立は大変そうな印象)
└解決したい課題・テーマが明確な場合、その分野の専門の教育機関に行った方がよいのでは

人脈づくりは数百万円のお金を払ってでもするものなのだろうか
└自分のフィールドであってもそこで活躍していれば、自然と仕事が広がり、併せて人脈も広がるのではないか